妄想老人日記

連載第47回:書きやすくする
ヘリベ マルヲ のプロフィール写真書いた人:ヘリベ マルヲ
2017.
06.21Wed

書きやすくする

ウェブを利用した出版について考えています。BuddyBlogから気軽に投稿する実験として「ですます」調をやめたり、要約文の設定をしないようにしたり、記事に二重の意味を持たせていたURLを、ただの投稿IDにするコードをfunctions.phpに加えたりしてみました。この記事も最初はそのようなかたちで公開しました。しかし強烈な違和感があったのと、再編集するにはどのみち管理画面へ遷移しなければならず、手間が変わらなかったので、文体と要約文だけは戻すことにしました。

ユーザに管理画面を見せないようにする方法は調べがつきました。必要があればいつでも導入できます。他人に開放できるくらい使いやすくすれば自分でも書きやすくなるはずです。去年失敗したサイトはだれでも簡単に登録でき、マルチサイトまで持てるようにしたので、スパムの標的になりました。海外のbotだと思っていたけれども、実際には逆恨みしただれかだったのかもしれません。アカウントやマルチサイトをうじゃうじゃつくられただけではなく、明確にいやがらせだとわかる日本語のメンバータイプを勝手につくられました。

敗因はだれでも使えるようにしたことです。利用者のブランディングを大きな目的のひとつとしていたにもかかわらず、機能的には正反対にしたことになります。やりたいことの適切な実現手段がわかりませんでした。書評の投稿をサイト全体で共有し、利用者それぞれのブログをマルチサイトに割り振ったのも失敗でした。脆弱だし預かる責任が重すぎます。管理画面に蓋をし、完全招待制にして利用者を手動で登録すべきでした。その上でマルチサイトではなく共通の場所を自由に使ってもらえばよかった。それぞれの著者の独自性にこだわりすぎました。集まる場として機能させるには機能を限定し、やれること/やれる場所をひとつに集中させるべきでした。ただでさえ「twitterではない」=汎用性がないのですから。

「掲示板で作品をブラッシュアップできる」「アクティヴィティで独り言を書いたり交流したりできる」「DMで私信が送れる」「日記が書ける」のほかに実現するとしたら「固定ページで販促できる」つまり「著者ページやランディングページを持てる」ということでしょう。むしろそのほうが重要です。登録すれば著者名がタクソノミーとして自動設定され、著者ページが自動生成されるようにしたい。登録時に設定したアバターがヒーローイメージになり、登録した著書が一覧として並び、書影をクリックすれば個別のランディングページが表示される。現状はプロフィール/アクティヴィティが著者紹介と完全に分離されています。メニュータブに著書一覧を新設し、固定ページのタグで実現している機能を集約しなければなりません。

いまは固定ページを本の紹介に、タグを著者名に、タグページを著者紹介/著書一覧に割り当てています。著者画像や紹介文はあとから手動で入力する必要がありますが、ページそのものはタグとともに自動生成されます。これをBuddyPressで実現するにはどうすればいいか。販促ページの著者名をクリックするとアクティヴィティに飛ぶような。贅沢をいえば現在の著者紹介ページのように、アバターと紹介文がヒーローヘッダに表示されるようにしたい。アバターを背景画像として呼び出し、紹介文をその上に表示すれば……などとあれこれ考えましたが、ふと気づきました。拡張プロフィールで事足りるのでは。すべての情報を集約しなくてもリンクさえ示せばいい。むしろそのほうが見やすいし扱いやすい。ユーザ自身に設定してもらうこともできる。というわけでやってみました。充分です。


ヘリベ マルヲ のプロフィール写真

ヘリベ マルヲ

(へりべ まるを、1975年6月18日 - )作家。略称、ヘリマル。独立系出版レーベル「人格OverDrive」から代表作『悪魔とドライヴ』をはじめとする魔術的な作品群を刊行。2013年日本電子出版協会(JEPA)主催のセミナーにてウェブディレクター・佐々木大輔氏から「注目の『セルフパブリッシング狂』10人」に選ばれた。